犬本―【国内/その他】《絵本・写真集・ジョーク・漫画・タイトルだけ等》―その1

GOOD DOG NEWS! 犬といっしょの、ここちよい生活

石黒由紀子

アーリストインターナショナル 1300円 [Amazon]

 犬グッズ本。第二弾だそうです。かわいくて楽しいが、お友だち自慢たらしいところがちょっとイヤ。著者は犬顔犬性格で、犬雑誌、Webを中心に「ゆる〜いタッチ」のコラムや、好きなグッズの紹介などを執筆しているそうです。巻末にURLがあったので行ってみたら、ほんとにゆるゆるだった。ううむ。(2002.7.8 白耳)

★★

▽ゆるゆる
 http://www.blueorange.co.jp/yuruyuru/


ニッポンの犬

岩合光昭・写真 岩合日出子・文

新潮社/新潮文庫 629円 [Amazon]

 かわいくて、りりしくて、たのもしいニッポンの犬たちのフォト&エッセイ。富士山と桜を背負った柴犬の表紙写真すばらしい。収録犬は柴犬、紀州犬、川上犬、甲斐犬、四国犬、北海道犬、秋田犬など。文庫になってうれしいワン。(2003.6.6 白耳)

★★★★


Say Hello! あのこによろしく

イワサキユキオ

株式会社東京糸井重里事務所 ほぼ日刊イトイ新聞/ほぼ日ブックス 1695円 [Amazon]

 2004.12.3初版。ジャック・ラッセル・テリアのルーシーと仔犬たちの写真集。といっても著者は写真家ではなく、ふつうの人(CM制作会社のマネージメントをしてる人)。ふつうの飼い主が、ひたすらたくさん犬の写真を撮って、それに文章をつけて一冊の本にした、というだけのことなんですが……これが、いい。(詳しい説明はこちらで)
 ウェブサイト《ほぼ日刊イトイ新聞》に連載されていたコンテンツをまとめたもので、じっさいに多くの写真はまだ《ほぼ日》で見ることもできますが、しかし本の形で読むとまた別の味わいがあります。
 発売前の先行予約販売、というのをやっていたんですが、“本は現物を見てから”という方針の私も思わず注文してしまいました。特典のシールとか限定帯とか、うまいよな(笑)。
 さて、内容。
 生まれてすぐの、おっぱいを飲むことしかできないような赤ん坊犬が、よちよち歩くようになり、きょうだい犬たちと遊んだりケンカしたり、でもすぐに疲れてぐうぐう寝てしまったり、そういうワンシーンごとがなんとも微笑ましく、愛らしい。こういう写真は24時間いっしょにいる人じゃないと撮れないよね。
 仔犬たちは、あたらしい飼い主さんにもらわれていくわけですが(そのうちの一軒が、糸井重里・樋口可南子夫妻。それがきっかけでこの写真集がうまれるわけです)、けっして悲しいことじゃないのになぜか泣けてくる。仔犬ってやつは、まったく……。
 380ページ、この手の本にしては分厚く、読むところもたくさんあるけれど、ゆっくりじっくり楽しむのが吉かと思われます。(2004.11.26 黒鼻)

★★★★☆


 いいことがあった日、ろくでもなかった日、なんでもない日、どのページでも開いてください。なんだかとにかくうれしくなります――と帯にある。わかりきったことを、とため息まじりにつぶやく人は、いま犬と暮らしている人か、これまでに一度でも犬と付き合ったことのある人だろう。
 ジャックラッセル・テリアのルーシーと、その子犬たちの約1年間の物語である。
 犬の妊娠・出産、そして子犬の成長の記録と言い換えれば、本や雑誌はいうに及ばず、ネット上にそれこそゴマンとあるわけだが、本書の場合、まず写真の枚数に圧倒される。ページ数から考えても400枚以上になるだろう。さすが1万枚(!)から選んだだけのことはあり、どれもいい写真である。デザイナーの手が入っているとはいえ、こういう写真は飼い主さんにしか撮れない。犬たちを見つめるもうひとつの眼差しが感じられる。(2004.11.26 白耳)

★★★★☆

▽「Say Hello!」
 


犬ぐらし

遠藤淑子

白泉社/JETS COMICS 648円 [Amazon]

 2005.6.1初版、2005.7.20第二刷。初出「ヤングアニマル増刊嵐」ほか。
 犬漫画は数々あれど、これはめずらしいボーダーコリー漫画。我が家のテスと比べて、似ていたり似ていなかったり。キャベツの水煮は食べる、寝言はいう、ため息もつく、乗り物酔いはする。でもテスは拾い食いはしない、そもそもあんまり食い意地張ってない(おやつは欲しがるけど)、他の犬に(最近はあんまり)挑みかからない(歳とったからかなあ)。
 ボーダーを飼ってる人には楽しめる一冊かと思います。(2005.7.24 黒鼻)

★★★


「運命の一頭」との出会いにより、それまでの日常が崩壊したある漫画家のワンだフル=犬でいっぱいライフをつづったエッセイコミック。全21話+描きおろしなど。
スイートホーム』とか『ヘヴン』などを描いた人気作家さんらしいですけど、買ったのは本書が初。だって、「運命の一頭」がボーダーコリーなんだもん!
 犬を飼っていたことがあるとはいえ、このやっかいな犬種を、なんの予備知識もないまま衝動買いしているところがすごい。どんなことになったかは火を見るより明らか。いちいち深々とうなづきながら読みましたよ、ええ。
 犬の名はナナ。絵は荒っぽいが、写真も出ている。ショータイプっぽくてかわいいです。(2005.9.2 白耳)

★★★★☆


幸せを運んだブルドッグ

小野まゆら

幻冬舎 1600円 [Amazon]

 2004.6.30初版。初出は2000年の『カポネ・カポネち』(「ラ・コミック」増刊号(笠倉出版社)――雑誌掲載は90年から)。著者は66年生まれ。
 埼玉の団地に住む女子高生(肥満体)と家族がブルドッグの“カポネ”を迎えて過ごす日々。いかにも昔ふうな漫画、昔ふうな雰囲気(漫画研究会とかね)で、さほどうまいとは思えないのだが、犬を飼っている人間ならではの観察がおもしろい。階段、自分じゃ降りられないのがかわいい。
 犬飼いの人にだけお勧め(笑)。(2004.7.31 黒鼻)

★★☆


犬のことば辞典

きたやまようこポチ監修)

理論社 1290円 [Amazon]

 これは、説明より引用だ(笑)。

【あとで】じかんのひとつ。大人は“しばらくしたら”の意味。子どもと犬には“ダメ”という意味。
【しり】しっぽのあたり。子どもは“だす”が、おとなは“かくす”。犬は“かぐ”。
【わけ】=理由。子どもは“よくわからない”が、大人は“いいたがる”。犬は“なかなかいってもらえない”。

 以上のような「ことば」118語収載。なごみます。(白耳)

★★★


りっぱな犬になる方法

きたやまようこ

新潮社/新潮文庫 362円 [Amazon]

 まずはなをくっつけ、それからお尻の匂いを嗅ぐ――これが正式な犬のあいさつ。犬はなかなか家族を選べないけど、選ばれたらそれを誇りに思って、家族を愛そう。呼ばれたら顔を向けるきくばりも忘れないで。
 いちど犬になってみたいと思っている人や、もう犬になっちゃった人のために、ポチが教えてくれる、ちゃんとした犬になるための絵本教科書。
 ちゃんとした人間になるための教えでもある。たとえば「もちもの」の項。「なるべく ものは もたないこと。いつも みがるで いること」とある。「ろうけん」は「としとった 犬が りっぱな犬とは かぎらないが りっぱな犬も かならず としを とる」と説明されている。犬に学ぶことはたくさんあるということですね。お買い得。(2002.12.10 白耳)

★★★

▽きたやまようこのサイト
 http://www.kitayama-yoko.com/top.html


犬を飼う

谷口ジロー

小学館/小学館文庫 457円 [Amazon]

 2002.1.1初版。単行本は1992年11月小学館刊。読みました。読んで、泣きました。
 で、このたび文庫化。まあね、いいものはダブっていても買ってやりたいのでね、買いました。んで、泣きました。成長してませんな。泣き虫の人は読んじゃだめでしょう。
 表題作は、飼い犬の死を看取る中年夫婦の話。そしてその一年後、猫を飼うことになる彼ら。さらに、その猫の子を里子に出したり、近所の老犬の話、家出してきた親戚の子を預かる夏の日の話など、読み切りの連作で4本。さいごの登山の話は、ちょっと毛色が変わっていて、主人公も別ですが、それはどうでもいい。連作の4本だけで、この本の価値はある。
 犬や飼っていると、こいつが年老いたら、あるいは病気になったら、自分はどうするであろうかと時々考えます。猫を飼っていても同じだけど。結論は出ないんだけど。
 で、こんな漫画を読んでしまうと、自分のとるべき道が、またしてもぐるぐると、さらにわからなくなる。きっとその場にならないと、判断できないんだろうし、どう決断したとしても、その決断を一生悔やむことになるんだろう。人間様なのだから、それくらいの後悔は背負ってやろうじゃないか、と開き直るしかないか。(2001.12.10 黒鼻)

★★★★☆


ハッピー! (1〜20)〈以下続刊〉

波間信子

講談社/KCビーラブ 379〜400円 [Amazon]

 テレビドラマ原作。盲導犬ハッピー物語。事故で視力を失った香織を立ち直らせてくれたのは、物言わぬパートナー、ハッピーだった。
絵柄は古いけど確かな技術。「BE LOVE」連載中から涙涙でした。テレビのほうも、ちとくさかろうが、タレント犬がぼんやりしていようが、部屋にペディグリーチャムのフードが並べてあろうが(笑)、泣きました。少しでも盲導犬同伴に対する偏見がなくなればいいなあと思います。(白耳)

★★★★


 1巻につき1回は泣けるのである。子供ネタになってしまってからは、やや低調か。それにしてもテレビドラマのほうはすげえ展開で思わず脱力。(黒鼻)

★★★☆


a day of Mitchell

MAYA MAXX

小学館 900円 [Amazon]

 MAYA MAXXの犬イラスト本。マヤマックスさんは日本人です。念のため。へろへろした子どもの落書きのような絵。好きか嫌いかは好みの問題。(2002.8.24 白耳)

★★

▽MAYA MAXX
 http://www.mayamaxx.com/

▽なんで MAYA MAXX なのかはこちらで
 http://www.1101.com/denpa2/sobu_index.html


考える犬 (1〜16巻)

守村大

講談社/モーニングKC 485〜486円 [Amazon]

 某一流出版社のフェロモン系雑誌編集長、大門寺文左右衛門は、ある雨の日の夜、電柱の下に捨てられた仔犬を拾う。紋次郎と名づけられた仔犬は、半年で80キロの超大型犬だった。わっはっは。愛妻と愛娘ふたり(後にもうひとり増える)と暮らす敏腕編集長の、家庭内での序列は最下位。というわけで夜の生活もままならず――。
 作者自身がグレート・ピレニーズと暮らすだけあって、超大型犬のスケール感がリアル。作風は相変わらず“熱血”だが、楽しく読める。『愛してる』より面白い。(白耳)

★★★★


 もと不良の辣腕編集長。妻も娘も超美人。現実ばなれしたストーリーですが、でもおかしい。(黒鼻)

★★★★