犬本――【海外/ノンフィクション】その1

【ノンフィクション・エッセイ系】

バスターのきもち Buster's Diaries As Told To Roy Hattersley
ロイ・ハタズリー Roy Hattersley
山田久美子・訳 朝日新聞社/朝日文庫 620円
「男」と暮らすようになったおれは堕落しちまったようだ。こころならずも愛想をふるまくし、尻尾も振っちまう。まあ、そのうちどっちが上だか思い知らせてやるつもりだけどな――ジャーマン・シェパードとスタッフォードシャー・ブルテリアの間に生まれたバスターが、英国労働党議員のハタズリー氏に口述した日記。
 犬や猫がしゃべり出すと、とたんにむずむずしてしまうために、長らくつん読状態であったことを正直に告白しておく。いや、でも読んでよかった。これほどウィットに富んだ「犬本」はほかにないだろう。子犬の頃に母犬を失い、野犬収容所などに収用されたこともある来歴からか、語り口調は粗野で生意気であるが、それこそが決め手であった。たとえばこんなかんじ。日本人が出てくるシーンから引く。

けさは、すいぶん早くバッキンガム宮殿を通ったのに、外の道路は人でごったがえしていた。たぶん日本人だ。たいがいそうだから。日本人は犬と同じで、群れの動物なんだ。(中略)彼らはいつも、人間と犬が一本の紐で結びつけられているのを初めて見たという顔をしておれたちを見る。けさ、そのなかのひとりがおれにカメラを向けて、盛大にフラッシュをたいた。おれが吠えると、〈男〉が言った。「日本では犬を食べるんだぞ。もう一度吠えたら、お前を朝食に持ち帰ってもらうからな」(p134)
 姿や行動はよく似てるかもしれないけど、犬を食べるのはお隣の国だということをいちおうお断りしておく。「犬好き」必読の書。
『この本はおれが書いた。わぉぉぉぉ〜〜ん』という帯の文句、たいへん気に入りました。(2003.10.31 白耳)
★★★★★
▽バスターの公式サイト
 http://www.busterhattersley.com



犬のディドより人間の皆様へ One Dog And Her Man By Dido
ディド著 チャップマン・ピンチャー協力) Chapman Pincher
中村凪子・訳 草思社 1800円
 ラブラドール・レトリーバーのディドが語る犬の話。
 “しかし、ディドが賢くて器用だとは言え、わたしのワープロはつかえそうもない。それでも、彼女は彼女なりにいくつもの伝達方法をあみだしているので、それを用いてわたしの頭に吹き込んだにちがいないさまざまな犬の思考を、いわば口述筆記するような役をわたしはつとめることにした(中略)犬キチの「ゴーストライター」が、犬に人間の属性を付して容認しがたいまでに擬人化しているというので、このような手法に非をとなえる識者もあろうかと思うが、この本は、科学者、ブリーダー、犬の訓練士などの専門家のための本ではなく、数から言えば圧倒的に多い、犬を愛する人々のための本である。”(「チャップのまえがき」より)
 協力者はけっこうまわりくどいタイプらしい(笑)。ピンチャー夫妻と暮らすようになった経緯、なわばり、嗅覚など犬の感覚、知能、コミニュケーション、食事、睡眠、散歩、シーズンなど、内容濃く、読みごたえじゅうぶん。(白耳)
★★★★



私は一流新聞の犬記者
マコ著 ロバート・ワイマント協力)
加瀬秀明・訳 講談社 1600円
 ワイマントは犬連れ記者。マコは首輪に記者証をつけて朝日新聞社内を歩き回っており、取材にも同行、動物関係はもちろんのこと、皇族やトヨタの社長に会うときも犬連れ。「外人だからしょうがねえや」という受け入れ側の諦観が見えるような気もするが、幼稚なリクツを振り回すエゴ団体に比べれば、ひとりでやってるだけマシである。その一徹さ(無頼というべきか)には羨望すら感じる。
 惜しむらくは内容のユルさ。動物虐待から、苛め、官民癒着、天下りなど、日本社会が抱える様々な問題に言及しているのだが、犬というラブリーちゃんを介在させたためか、訓話の世界に軟着陸してみたワン! みたいなことになっちゃっている。余技としてちょっとシャレてみましたということか。(1999.10.13 白耳)
★★(マコに対する愛情に敬意を表して)



犬たちの隠された生活 The Hidden Life Of Dogs
エリザベス・M・トーマス Elizabeth M.Thomas
深町眞理子・訳 草思社 1600円
 冒頭で“これからあとのページでわたしが描こうとしているのは、11頭の犬のグループ――5頭の雄と6頭の雌――の生活記録である”と述べられているように、自らの飼い犬たちの長年に渡る観察記録である。
 わたしは一頭のボーダー・コリーと暮らしているが、飼い始めの頃はわからないことだらけだった。犬について書かれた本や雑誌を読みあさり、また、獣医師を始めとする専門家の指導も受けたが、もっとも信頼できたのは、同じ犬の飼い主さんの話だった。著者は人類学者であり、いちいちの考察に専門知識の裏打ちがあることは確かだが、書かれていることの大半は、著者が“この目で見てきたこと”で、飼育環境の違いこそあれ、非常に興味深く読むことができる。愛犬家必読の書。(白耳)
★★★★★



犬たちの礼節ある社会生活 The Social Lives Of Dogs
エリザベス・M・トーマス Elizabeth M. Thomas
木村博江・訳 草思社 1900円
 名著『犬たちの隠された生活』のその後。トーマス家はニューハンプシャー州ピーターバラに転居。「所帯が大きかった頃は」人間5人、犬7頭、猫9匹、オウム5羽というから羨ましい限り。日本では宝くじでも当たらなければ無理でしょうねえ。『〜隠された』のほうでおなじみのスエッシ、イヌックシュック、ファティマはすでに老齢に達しており、3頭揃ってよれよれと犬としての営みを続けているらしい様子がなんとも。そこへ登場するのが、著者が偶然出会った「異種混合集団の発端」サンドッグ。そしてベルジアン・シープドッグのミスティ、オーストラリアン・シェパードとチャウチャウの混合パール、くせものルビー、夢の犬シーラと続く。著者のいう「異種混合集団」にはもちろん人間も含まれている。
 “ある晩、ミスティが起き上がってこっそり下に降りていく物音が聞こえた。犬用のくぐり戸がカタンと鳴り、外に出ていったようだった。おそらく用を足しに出かけたのだろう。ほどなくしてもどってきたミスティの被毛は、冷たく濡れていた。
 私は身じろぎもせず声も出さなかったが、彼女には私が目を覚ましているのがわかった――犬たちはいつも察し取るようだ。彼女はそっとベッドのわきにくると、頭を私の肩に乗せた。顔を押しつけてきたので、私は彼女の体に腕を回した。おたがいのあいだに愛情の波がかよった。ベッドの反対側では、サンドッグがそれを感じとり、やさしく尾で床を叩いた。集団のメンバーが愛情を示しあうのを見ると、犬はときどきこの動作をする。そして眠っている夫も感じとった。あるいはサンドッグの尾がたてる音を聞いたのだろう。眠ったまま、彼は私に腕を回した。”(p83-84)
 世の中、これ以上の幸せがあるだろうか?(2000.9.5 白耳)
★★★★★



ドクター・ヘリオットの犬物語 James Herriot's Favourite Dog Stories
ジェイムズ・ヘリオット James Herriot
大熊栄・訳 集英社 2100円
 1995年に亡くなった著者が「特に気に入っていた犬に関するエビソード」10篇を収載。表紙ボーダー・コリー。10篇のうち2篇がボーダーコリーの話。
 “一九三〇年代の半ばにあっては、動物は重要度に応じて等級がつけられていた。馬、牛、羊、豚、そして犬という順番だった”という時代に、グラスゴー獣医科大学で「馬の医者」になることを決定されたヘリオット青年は、「ほんとうになりたかったのは犬の医者だった」。ノース・ヨークシャーのダロウビーという街でアシスタント獣医の口を見つけるが、勤務先は大型動物診療所。しかし、馬をほかのどんな動物よりも好んでいた同僚のおかげで、犬や猫の治療にあたることになる。
 繰り返し登場する、大金持ちの未亡人に溺愛されるペキニーズ、トリッキー・ウー。往診のたびにカーチェイスを挑んでくるボーダーコリー、ジョック。まさに“傑作選”である。(白耳)
★★★★★+☆



猫たちを救う犬 The Dog Who Rescues Cats --The True Story of Ginny
フリップ・ゴンザレス&リアノー・フライシャー Philip Gonzalez & Leonore Fleischer
内田昌之・訳 草思社 1500円
 テレビでも紹介された、傷ついた猫たちを救う犬ジニーの本。ジニーは著者であるゴンザレスさんに動物愛護ホームから引き取られた、“一部はシュナウツァー、一部はハスキー、一部は地上におりた天使“。カバー写真に神々しさすら感じる。おすすめ。(白耳)
★★★★



C・W・ニコルの「人生は犬で決まる」
C・W・ニコル
竹内和世・訳 鈴木龍一郎・写真 小学館/小学館文庫 533円
 1999.8.1初版。アイリッシュ・セッターの写真も楽しめる、アウトドアのウェールズ人ニコルの犬エッセイ本です。黒姫に定住し、はるばるイギリスからアイリッシュ・セッターの「モーガス」を連れてきたニコル。いたずら小僧に振り回されて大変な騒ぎになるが、そこはそれ、長年大自然を相手に生きてきた著者ですから犬の扱いにもなれています。やがてモーガスの連れ合いとなる「メガン」も加わり、さらにはニコル夫妻の娘も生まれ、にぎやかな生活になるんですが……。
 文庫化に際し、あらたに書かれた終章は、やはり犬飼いにはつらいものが。
 ま、いわゆる「犬本」なのですが、親ばか飼い主エッセイとは一線を画していて、犬とのつきあい方についての考察なんかも書かれています。ニコルの、犬に対する見方は(そういう文化で育ったのだから当然とはいえ)気持ちがいい。こういう文化は、おそらく地球滅亡まで日本には根づかないのだろうなあ。やれやれ。(1999.8.1 黒鼻)
★★★
 黒姫の赤鬼ことニコルさんと、アイリッシュ・セッターのモーガスとメガン。ニコル家の犬は主人とともに山に分け入り、川に飛び込む。モノクロ写真とともに綴られる犬と生活。「犬生」もまた飼い主で決まる。(1999.8.23 白耳)
★★★☆



デキのいい犬、わるい犬 あなたの犬の偏差値は? The Intelligence Of Dogs
スタンレー・コレン Stanley Coren
木村博江・訳 文藝春秋/文春文庫 657円 [Amazon]
 なんだかすごい宣伝してますが、愛犬家は既読でしょうね。おなじみコレン先生が、独自の調査と北米の犬の訓練教競技査員、訓練士208人の意見をもとに、作業・服従知能について133犬種についてランクづけを行ったという、ユニークな内容の本。ランク表によると、1位ボーダー・コリー、2位プードル、3位ジャーマン・シェパード。ボーダーの飼い主としては晴れがましい気分になるが、たいした意味はない。
 “訓練されていようがいまいが、やはり自分の犬がいちばんである”(p257 キャロル・リア・ベンジャミン)
(2000.9.12 白耳)
★★★

 2000.9.1初版。原著(c)は1994年。
 コレン先生はカナダの心理学教授。なんだけど、犬関係の著作も多数あるという人です。
帯には「あなたの犬のりこう度を徹底的に解明します!」とあり、じっさい犬の知能(問題解決能力や学習記憶能力など)をはかるテストも紹介されていたりするのだが、犬の行動全般についての解説書としての比重のほうが高いようだ。犬を飼っている人であれば「ああ、うちのもこんなことする」とか「うちの犬種はかしこいのだなあ」などと、身近に考えられることが多いだろうけれど、別にそうじゃなくても楽しめる本。
 犬の能力全般や人間との関係・歴史などについて、わかりやすく説明されているし、随所で紹介されるいろいろな犬たちのエピソードもほほえましい。火事にいち早く気づき、飼い主をたたき起こし、逃げ遅れた少女を無事に避難させた老ラブラドールの話など、ちょっと泣かせるし。
 うちの娘は、いちおー一番おりこうさんな種類ということになっていますが、実際は……あたまよすぎるのも考え物ですな。(2000.10.20 黒鼻)
★★★☆



相性のいい犬、わるい犬 失敗しない犬選びのコツ Why We Love The Dog We Do
スタンレー・コレン Stanley Coren
木村博江・訳 文藝春秋/文春文庫 695円 [Amazon]
 『デキのいい犬、わるい犬』に続くコレン先生の犬本。コレン先生のご専門は人間の心理学です。念のため。表紙はボストンテリア。「カワイイだけじゃダメかしら?」と言っています。
 友好的、防衛心が強い、穏やかなど、犬をその行動特性によって7つに分類、それに合う飼い主の性格を解説するという内容。有名人の犬にまつわるエピソードなど織り込まれてはいるものの、収録の性格診断テストしなくちゃ先に進めないというカラクリになっており、なんとも七面倒くさい。それでも性格診断テストは、対人特性形容詞尺度(Interpersonal Adjective Scales)を簡略化したもので、それに当てはまる犬のほうは、16歳〜96歳までの6949人の「犬を飼っているか過去に飼ったことがある人」を対象とするアンケートから割り出したというから、たんなる決めつけでもないだろう。
 さて、それによると、わたしは「外向性が低く」「支配性はほどほど」で「信じやすく」「冷たい」人間で、おおむね「穏やかで安定した犬向き」であることがわかった。穏やかで安定した犬に分類されているのは、日本でもポピュラーな犬ならチワワやマルチーズやビーグル。やだ、どうしよう。みんなイヤだよ。占いや性格診断が好きな人向き。鉛筆と電卓のご用意を。(白耳 2002.10.22)
★★★



犬語の話し方 How To Speak Dog
スタンレー・コレン Stanley Coren
木村博江・訳 文藝春秋/文春文庫 705円 [Amazon]
 「バウリンガル」というバカなおもちゃが流行している。なにが犬語翻訳機だ。いやしくも犬の飼い主が、じぶんの犬の気持ちがわからなくてどうする。シャレならいくらでも歓迎だが、ちょうちん記事のことごとくがマジな内容。それでまたバカ飼い主が増えると思うと頭が痛い。
 というわけで本書。犬のあくびは疲労や退屈ではなく、ストレスを感じたり相手への和解を求める印。人間の2歳児程度の言語聞き分け能力を持つという犬の吠え声、尻尾の動き、表情などで示される「犬語」を理解して、飼い犬と意志を伝え合おう、という内容。犬対人間というより、犬同士のコミュニケーションについて多く書かれている。説明するまでもないことだが、そもそも犬の相手は犬なのである。犬はそれを対人間に応用しているにすぎないということが、改めてよくわかる本。読みながら、多頭飼いの人がちょっと羨ましくなってしまった。
なお、バウリンガルについての悪口はDog-Ear Press「晴犬雨読/バウリンガル」(2001.11.9)でもお楽しみになれます。http://dog-ear.m78.com/seiken/(2002.10.22)
★★★★



世にも有名な犬たちの物語 La Vie Des Chiens Celebres
ピエール=アントワーヌ・ベルネム Pierre-Antoine Bernheim
檜垣嗣子・訳 文藝春秋 1905円
 有名人に愛された犬たち、名作の中の犬たちをめぐる、愛すべきエピソード集。
 ひとつひとつのエピソードは確かに愛すべきものですが、こうたくさんあると眠い。うう。エドワード八世だかウィンザー公だか、ナントカ女王だかナントカ卿だか、こんがらがってなにがなんだかわからなくなる。寝しなの拾い読みにおすすめ。
 訳者あとがきにパリの犬糞専用清掃車のことが出ている。導入は1982年。正式名称は「カニネット」で、パリの人々はこれを「モト=クロット(モトは二輪車、クロットは糞)」というあだ名で呼んでいる。そしてカニネットに続く市の糞対策第二弾が「カニゼット」。犬専用のおしっこ・うんち場で、道端に犬のシルエットと矢印がペイントしてあるという。ぜひ見てみたいので、パリの人は写真を送るように。(2002.7.5 白耳)
★★★



マイ・ドッグ・スキップ My Dog Skip
ウィリー・モリス Willie Morris
中西秀男・訳 筑摩書房 1262円 [Amazon]
 1996.3.5初版。原著(c)は1995年。同タイトルの映画の原作です。とはいえ映画のような大きな事件は起こらず、1940年代のアメリカ南部の少年(と犬)の生活が淡々と語られます。とはいえ映画と同じように、ラストでは泣けてしまうのだった。
 いやあ、これはやっぱり映画の勝ちですかね。原作を読んでしまうと、映画は“作りすぎ”という印象を受けてしまうけれど、でも犬好きなら観て損はない。DVDで発売中だし。って映画を勧めてどうすんだ。少年期に犬を飼っていた人なら、きっとぐっとくるでしょう。犬を飼ってるオトナでもぐっときましたから。
 しかしこの訳者、1901年生まれとあるが、まだ生きているんだろうか。別に、訳が悪いとかそういうことではないのだが(多少年寄りくさくはあるけど、40年代ということであまり気にならない)。でも、スキップの犬種は結局なんなのだろう。本文ではフォックス・テリア、あとがきではスコッチ・テリア。映画はジャック・ラッセル・テリアだったし……。イラストはMikhail Ivenitskyというクレジットがあるので、たぶんオリジナルについているんでしょう。この絵からするとジャック・ラッセル・テリアっぽいですが(でも映画化にあわせてイラストを入れたかもしれないし。映画は何年だったかな)。うーん、そこだけ気になる。(2001.8.13 黒鼻)
★★★★

 友情も愛も死もすべて犬が教えてくれた――50年前のミシシッピ州の田舎町できょうだいのように育った愛犬スキップの思い出を綴る回想記。
 つい近ごろのこと、ぼくはひょっこりスキップの写真を一枚見つけた。真っ黒い顔に長い鼻先をして、何かクンクン嗅いでいることろだ。尾はピンとまっ直ぐに立てて身構えているし、何かに興奮したのだろう、目もキラリと光っている。四十年以上も前にとった古い写真だが――正直に告白する。ぼくは大人になった今も、スキップを思い出すと胸のいたむ思いがする。(p8)
 少年少女時代に犬と付き合った経験がある人なら、この「胸のいたみ」を共有することができるだろう。誰にも美しくて切ない思い出がある。
 この作品は99年に映画化されている。エピソードを組み合わせて原作にはない見せ場を作ってはいるが、40年代のアメリカ最南部の街の様子や人々の生活を知るにはいい手がかりになる。スキップはフォックステリアだが、映画ではジャックラッセルテリアを使っている。(DVD『マイ・ドッグ・スキップMY DOG SKIP』1999 WARNER BROS.)(2001.10.20 白耳)
★★★★☆





【訓練・しつけ・相談系】

なぜうちの犬は、トイレの水を飲むのでしょうか? 
Why Does My Dog Drink Out Of The Toilet?

ジョン・ロス&バーバラ・マッキーニ
メディアファクトリー 1500円
 “かわいい子犬の写真がたくさん”のQ&A集。カバー表紙に幼気な黒ラブの仔犬を用い、カバー折り返し及び見返し全面犬写真。
 著者はドッグ・トレーナーと、もと作家。新聞のコラムをまとめたもので、犬の飼い主から寄せられた質問と著者の回答という構成。きっぱりとした言い切り型の回答とユーモアに、プロの自信と愛情を感じる。表題にもなっている質問に対する回答は「解決するのは簡単です。トイレの蓋を閉めなさい!」というもの。悩める飼い主さんの肩の力も抜けることでしょう。この手の本としては珍しくお買い得。(1999.6.22 白耳)
★★☆



愛犬の愉快なトレーニング術91 Dog Tricks
アーサー・J・ハガティ&キャロル・リー・ベンジャミン Captain Arthur J.Haggety & Caril Lea Benjamin
木暮規夫・監修 平凡社 1500円
 原著は1978年刊。古いです。著者は前アメリカ陸軍軍用犬部隊大尉とドッグトレーナー。A5変形判のかわゆい装幀で思わず買っちゃったが、役に立たなかった。犬種別「犬の“芸”の適性診断チャート」付き。むう。(白耳)
★☆



フリスビードッグ Frisbee Dogs
ピーター・ブルーム
ペットライフ社 1800円
 著者は――1976年世界フリスビー大会男性部門チャンピオン。愛犬ウィザード(ボーダーコリー)をワールドチャンピオンにし、人間と犬の両方でチャンピオンになった唯一の人。ウィザードは無敵のまま引退。フリスビー・ドッグの最高名誉のアシュレイ・ウィペット栄誉殿堂入りを果たす――という、すごい人、と犬。フリスビーの歴史に始まり、犬とディスクの基礎知識、基本トレーニング、上級者向けトレーニング、競技会及びルール、競技会に勝つ方法、また、犬との移動手段まで網羅した内容。本格的に始めたい向きには大いに参考になること間違いなし。とくに犬とのコミニュケーションについては一読の価値あり。フリスビーしない人と犬もぜひ。(白耳)
★★★★★


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