光文社/光文社文庫 533円 [Amazon]
2001.12.20初版。親本は1993.6講談社刊。著者は織田作之助賞を受賞してデビューしたとのことだが、はじめて知りました。年齢もなにも書いてません。たぶんけっこう爺さんだと思う。
で……。ううむ、どう説明すればいいのか。カバー表4より引用。
沢雅人の盟友ともいうべき犬リキがヤクザに連れ去られた! 沢は空手を武器に奴らを倒し、闘犬として売られた事実を知るが……すでに勇猛なリキは厳寒の東北路へと逃走していた。いやこれだけ読めばなんか感動の動物本という感じなんですがね(そ、そうか?)。見事にだまされました。すごいです。すっげえです。壮大な冒険ロマン、それ以外のなにものでもありません。
やがて舞台は日本を離れアフリカへ――。壮大な冒険ロマン!
∴(保留)
愛犬王 平岩米吉伝
小学館 1600円 [Amazon]
第12回小学館ノンフィクション大賞受賞作。動物行動学の先駆者、平岩米吉の情熱あふれる生涯を描く。狼の行動範囲はどんどん広くなり、犬と同じように庭から廊下や座敷、書斎などへも自由に行き来し、時には階段から二階に上がり(中略)そのために板の間は傷だらけ、畳の目はすべてなくなり、障子は破れ放題だったが、そんなことを気にする者はすでに平岩家にはいなかった。(p.64)しかし、どうやらこの「奇人先生」は、動物たちの食事の世話や寝床の掃除などの雑用は奥さんに任せっきりだったようです。それでも米吉の動物たち、とりわけ犬にそそぐ愛情は深く、犬たちもその思いに全身全霊でこたえている。彼が生涯を通じてもっとも愛したおすのシェパードを失い、悲しみに打ちひしがれる様子は涙なくしては読めない。
★★★★★
理論社 1290円 [Amazon]
これは、説明より引用だ(笑)。【あとで】じかんのひとつ。大人は“しばらくしたら”の意味。子どもと犬には“ダメ”という意味。以上のような「ことば」118語収載。なごみます。(白耳)
【しり】しっぽのあたり。子どもは“だす”が、おとなは“かくす”。犬は“かぐ”。
【わけ】=理由。子どもは“よくわからない”が、大人は“いいたがる”。犬は“なかなかいってもらえない”。
★★★
新潮社/新潮文庫 362円 [Amazon]
まずはなをくっつけ、それからお尻の匂いを嗅ぐ――これが正式な犬のあいさつ。犬はなかなか家族を選べないけど、選ばれたらそれを誇りに思って、家族を愛そう。呼ばれたら顔を向けるきくばりも忘れないで。★★★
▽きたやまようこのサイト集英社 1600円 [Amazon]
新田次郎の作品を読んでいるようだと思ったら新田次郎賞受賞者だった。
『漂泊の牙』で第19回新田次郎文学賞を受賞した著者の小説集。初出「小説すばる」ほか。全9話。荒ぶる自然への畏れと挑戦。山背が吹きつける東北の地で自然を生業とする男たちの物語。
男たちの生業は、潜水夫、マタギ、漁師、鉄砲撃ちなど。映画にするならぜひ高倉健でお願いしたい。自然や生き物を相手にする仕事とは、「待つ」ことだということが身に染みてわかる。そして些細なミスが死に繋がる。圧倒的「男の世界」である。父性の喪失が叫ばれて久しいが、改めて確認したい向きは本書を読むといいだろう。北上川で水運を営む老夫婦の危機を描く「■船」(ひらたぶね/■=舟+帶)、山神の化身と畏れられる熊を追う熊撃ち名人の「皆白」いい。
さて、そんな自然のダイナミズムには欠けますが、犬話入ってます。少年と飼い犬の出会いと別れを描いた「メリイ」、貧農の次男が出くわした不思議な山犬の「御犬殿」。双方甲乙つけ難いが、やはり少年と犬を描いた「メリイ」だろう。主人公はある日、亡父のカメラの中に残された古いフィルムを現像する。写っていたのは少年時代のじぶんと愛犬メリイ。メリイは犬嫌いだった主人公が、山で炭焼きをする祖父から譲り受けた犬だった。落涙必至。おすすめ。(2002.11.17 白耳)
★★★★☆
講談社 1600円 [Amazon]
著者は在独日本人。タイトルはかたいが、グレーフェ家で暮らす犬「ボニー」が語る、ドイツ人家族の生活と犬の話という内容。著者個人及びグレーフェ家関係者には面白いかも知れない。あと、ドイツで犬を飼いたいと思っている人とか。こういうのって、あまり親しくない人に、遠い親戚の話を聞かされているような気分になるなあ。ぶう。(白耳)★☆
ドイツの犬はなぜ幸せか 犬の権利、人の義務
中央公論新社/中公文庫 648円 [Amazon]
2000.8.25初版。著者名は「グレーフェ・あやこ」と読む。「あや」は「或」という字の斜めの線(右上から左下への)が3本あるという珍しい字。親本は上で白耳が紹介している、『犬の権利、人の義務』というタイトルで講談社から1996年10月に刊行されたもので、それを改題、加筆訂正したとのこと。著者は言語学系のひとで、69年にドイツ人と結婚、渡独。ミュンヘン在住だそうです。★★
主婦と生活社 1456円 [Amazon]
「最新」と印刷してある本はいつまでたっても「最新」なので注意したい。本書は1995年刊。★★★★
いれぶん出版発売/Kプロダクション発行 1500円
サブタイトル「犬そだてにちょっぴりつかれたパパとママへ」。この本のタイトルにも使った「犬そだて」という言葉。私は「いぬそだて」ではなく「こそだて」と読んで欲しいと思っています。あなたが犬と一緒に暮らし、そしてあなたがその犬を育てていくのなら、それはまぎれもなく「子育て」です。(p.1)著者は訓練士。1998年4月1日初版第一刷発行とけっこう新しい本だが、どうやって手に入れたのか、さっぱり忘れてしまった。自費出版ふうの地味な装幀及び内容ではあるが、非常に具体的でわかりやすい。飼い始め関係者向き。
★★★
桜桃書房 1500円 [Amazon]
家族の献身的な介護、天寿を全うしようとする老犬たち――交わすことばは「ありがとう」。写真と文章で綴る感動の記録。話題の本。★★★☆
▽著者のページCopyright(c)2000-06 by Dog-Ear Press.
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