最終的に2頭の候補が残った。スタッフが犬舎の外に出して見せてくれた。双方、発育のいい雌だった。仔犬Aは仔犬Bに比べ黒勝ちのカールのきつい毛並みだった。AはBに比べ、少し小さかった。Aはびくびくしていたが、Bはふてぶてしい態度で肝が据わっているように見えた。そういうわけで、仔犬Bのほうにやや傾きかけたとき、思いがけないことが起こった。仔犬Bがわたしに向かってウィンクをしたのである!
どうぞ「ばかめ」とお笑い下さい。わたしはこれで犬を決めました。
(「臍天記/仔犬がきた!」より)



リビングに大小便をまき散らす生後間もない黒白の仔犬を抱え、わたしは毎日途方に暮れていた。絨毯の端はびきびきにほぐされ、家具調度の角という角が丸く削られた。
アカギレの手を噛まれ、靴下を引き抜かれ、足を噛まれ、頭髪を噛みしごかれ、衣服のボタンやジッパーはことごとく食いちぎられた。
(「臍天記/仔犬と暮らす 破壊大魔王」より)



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