犬vs.おじさん・おばさん


1.おじさん(単独)
 犬を見て「おっ」という顔をするおじさんは、現在犬を飼っているか、むかし飼ったことがあると思われるが確認したことはない。「ちっちっ」と舌を鳴らす人は、動物好きか猫を飼っているかのどちらかだとは思うが、これも確認したことはない。他には軽く口笛を吹く人がいる。
 犬が嫌いだったり怖かったりする人もいると思うが、あからさまな態度を取る人はいない。



2.おばさん(単独)
 犬を見て「あらっ」という顔をするおばさんは、現在犬を飼っているか、むかし飼ったことがあると思われる。にこにこ顔で見ている人にはにこにこ顔で応えることにしている。
 犬が喜んで寄っていくと、飼っている人の場合、「犬のにおいがするでしょう?」と言う人が多いが、犬がその人の飼い犬のにおいを嗅いでいるのか、その人のにおいを嗅いでいるのかはわからない。ストッキングで蒸れた足のにおいを嗅いでいるんじゃないかと思うこともある。
 犬が嫌いだったり怖かったりする人はすぐにわかる。「もういや。しっしっ」という感じ。



3.おじさん(グループ)
 視線を感じることはあるが話しかけられたことはない。背広の人々は仕事中なのだろうからちゃらちゃらするわけにはいかないのだろう。でも、年寄りの仲良しサークルみたいな人々からも話しかけられたことはない。わたしがギャルだから照れくさいのだろうか。



4.おばさん(グループ)
 ひとりだけ抜け出して「いぬー」と叫んで突進して来る人は相当の犬好きと思われる。犬好きな人とそうでない人ははっきりしていて、好きな人が犬にかまっている間、そうでない人は遠巻きにしているか、喋りながらさっさと先に行くかのどちらか。



5.おじさん(犬連れ)
 平日のおじさんは謎である。自由業や定年退職でなければリストラの可能性もあるので、不用意な発言はできない。寡黙かおしゃべり。かなり極端である。かわゆい犬のイラスト入りうんち袋からスーパーのレジ袋(再利用)を取り出す様子が、いかにも不自由でならぬ。おじさん用の渋いうんち袋はないものか。また、妻子の流儀に倣ってか、犬の性別を「男の子・女の子」と言ったり、犬に幼児語で話しかけたりするのもどうかと思う。



6.おばさん(犬連れ)
 これはもう(笑)。一日じゅう散歩しているような人がいることには驚く。ほかにすることはないのだろうか。
 じぶんの犬を「うちの子」、犬の性別を「男の子・女の子」、飼い主のことを「ママ・パパ」などいう文化をつくったのは彼女たちである。犬に幼児語で話しかけるのは子育ての経験からなのだろう。
 さいきん気になるのは、「ちょうなの? ちょうなの?」という語りかけである。「そうなの?」ということなんだろうが、いったい犬が何を言っているというのだ。でも、わたしも犬に「どうした? どうした?」と言ってしまうから同じか。わっはっは。(2001.6.30)



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