犬vs.子ども
1.学齢前
10人中10人が犬を「わんわん」ということに新品のiMacを賭けてもいい。先日など、外人の子どもまでが「わんわん」と言うのを聞いた。どうして犬だけがわんわんなのか。猫のことにゃあにゃあとは言わないではないか。またカラスをかあかあとも言わないではないか。
2.小学生(単独)
男児も女児もひとりで話しかけて来ることはまずない。しかしまだ誤魔化し方がうまくないので、犬が好きか嫌いかは一目瞭然である。好きな子は犬を見るなりぱっと顔を輝かせ、次いでリードを持っている飼い主の顔色をうかがい、場合によっては立ち止まったり、近寄って来たりする。
嫌いな子は道の反対側に渡るなどして犬を避ける。なぜかきゅうに鼻歌を歌いながらスキップを始めたりする子もいる。
3.小学生(グループ)
グループになると女児はかなり積極的になる。ずうずうしいといってもいい。まずリーダー格の女児が(たいていデブ)「あっ、犬」などと言い、きっかけをつくる。そうするとほかの女児が「×××ちゃんとこの犬に似てる」のような、ごちゃごちゃした会話で場を盛り上げ、リーダー格の女児が飼い主につけ入るお膳立てをするようである。
男児のグループは難しい。小学生でもすでに「男子たるもの用もないのに人にちゃらちゃら話しかけるなどまかりならん」といったような刷り込みがされているのか、ちらちら見たりはするが、会話を中断したり歩行コースを変えたりはしない。
4.小学生(犬連れ)
小学生も高学年になると犬の散歩を命じられこともあるらしく、ひとりでしおしおとうんち袋を持ってリードを引いている。やはり女子のほうが社交的で、すぐにお友達になってくれる。
男子は難しい。犬同士が尻を嗅ぎ合っている間じゅう黙っているか、話をしても一問一答形式で発展はない。きっと嫌なのだろうと声を掛けずにいると、思わせぶりな視線を送って来たりするので加減が難しい。また、きゅうに「空手を習っているんです」などと言い出したりするのでびっくりする。
5.小学生(物知り)
強力な図鑑でも持っているのかやたらと犬に詳しい。そういう子にとってボーダーコリーは人気犬種らしく、ずうずうしく近寄ってきて「イギリスの牧羊犬なんだよね」などと知識をひけらかす。
6.中学生
男女とも小学生の態度とほぼ同様。だが、中学生にもなると生意気にも「カップル」が出てきやがる。「あなたしか見えない状態」のカップルはわたしが犬じゃなくてワニを連れていても気がつかないと思われる。そうでなくても男子は気取っているためか、犬になど目もくれない。女子が「あーっかわいい!」と叫んで近寄って来る場合は、相手の男がつまんなくて飽き飽きしているか、逆に母性愛をアピールしたいかのどちらかだろう。これは成人女子についても同じことが言える。(2001.6.27)
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