チワワの子はチワワ 今月の「犬のいる風景」
人様のこととは思いつつ、じぶんのことは棚に上げ、気になりだしたら止まらない。そんな今月の「犬のいる風景」をお届けします。
【1】チワワ
チワワブームである! 散歩に出てチワワを見ない日はないくらいだ。先日、なじみのペットショップへ行ったら、チワワ2匹(2頭というかんじではない)連れの先客がいた。1匹はふつうのロン毛タイプだったが、もう1匹の小さいこと小さいこと。それもそのはず「極小タイプなんですよ」と店主。
短毛で毛色はブラック&タン。チワワのようなこんもりした丸頭をアップルヘッドというそうだが、その子の頭は姫りんごくらいしかない。生後半年で体重800グラムということであった。ちろちろとやってきて体重約23倍のテスの尻をかぐ様子を見て初めて「犬」を感じる。小さいだけに疲れやすいらしく、間もなく飼い主さんにすくい取られ、ショルダーバッグの別荘でお昼寝。テスが踏んづけでもしたらたいへんとヒヤヒヤしていただけにほっとする。
【2】ツチノコ発見!
さいきんよく見かけるジャックラッセル・テリア。若いオスで、人にも犬にも懐っこい、いい犬なのだが、おっそろしく太っている。顔と尻尾だけは太りようがないらしく、そのため、上から見るとまるで「幻の蛇ツチノコ」である。腹など、めいっぱい膨らませた風船さながらだ。針のようなものでちょっとつついたら漏れ出す空気の勢いでどこまでも飛んでいきそうなくらいパッツンパッツンに張り切っている。
あの活発な犬を、どうすればあそこまで太らせることができるのだろう。すぐに息が切れるのか、しょっちゅう地べたに座り込んでいる。あわれでならない。
▽ツチノコを知らない人はこちらで
http://www.webtsc.com/kanko/ing/yosii/tutinoko/tehai.html
【3】氷川きよし
という名前の犬がいる。飼い主さんが氷川さんで犬の名がきよしというのではない。「氷川きよし」という名前なのである。歌手の氷川きよしというと派手できらびやかなイメージだが、こちらの氷川きよしはどうということのないオスのミックス犬である。
獣医では患畜のカルテや薬袋をつくるとき、飼い主の名字に犬の名前を続けて書くが、氷川きよしの場合どうするのだろうか。たとえば「鈴木氷川きよし」とでもするのだろうか。飼い主さんは家でも「ヒカワキヨシ!」と呼んでいるのだろうか。謎だ。ちなみに飼い主さんは品のよさそうな白髪のおじいさんである。
▽氷川きよしを知らない人はこちらで
http://columbia.jp/~hikawa/
【4】続・チワワ
前からチワワを飼っていた人たちはいまのブームをどう思っているのだろうか。近所に今年で10歳になるチワワを飼ってる人がいるが、なんとなく話題にするのがはばかられるため確認したことはない。
いうまでもなく、いまのブームのきっかけになったのは某金貸し会社のテレビCMである。人が犬を飼うきっかけはさまざまだからわるく言うつもりはないが、スーパーの前などで、チワワをさも愛おしそうに抱っこしているおじさんを見るとげんなりする。また、チワワを見て「チョー犬ほしー」とだらしなく叫ぶ女子高生は、わるいけど全員バカにしか見えない。
【5】ボーダコ
ネット上でボーダーコリーを「ボーダコ」と略す人々がいる。同じ地域の産にボーダーテリアというのがいるから区別するためかとも思ったがそうじゃない。ボーダーコリーの飼い主しか閲覧しないようなサイトでやっている。たんに「ボーダー」じゃだめなのか。ボーダコではタコ焼きかなにかみたいでなんかいや。
【6】乾燥ノシ蛙
柴犬のMちゃんはいつもなにかくわえている。たいていは小枝や小石だが、ゴミが入ったスーパーのレジ袋をくわえていたこともある。「しょうがないから好きにさせているの」と飼い主さん。
Mちゃんは口がふさがっているときほかの犬が近づくと猛烈に怒るが、人間には寛大で、手を出してもちょっと顔をそむけるくらいのものである。きげんがよければ口の中のものを惜しげもなくプレゼントしてくれることだってある。
先日、ノーリードのMちゃんが走ってきて、わたしの足元にぽとっと何かを落とした。黒くて薄べったいもので、すり切れた靴底だと思った。が、違う。車にでも轢かれたのか、ぺっちゃんこになってカラカラに乾いたカエルだった。もう少しで手に取るところであった。
Mちゃんには前にもセミの死骸をもらったことがある。もしかしたらわたしはMちゃんにすごく愛されているのかもしれない。(2003.6.25)
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