第三章 仔犬と暮らす

■深夜徘徊
 段ボール製簡易犬小屋「段ボールハウス」は、まったく役に立たなかった。仔犬は実によく寝るが、テスは眠くなったときにいる場所でばたんきゅう、寝ていると思ったら、またぞろ起き出してうろつきまわる。
 そのせいで、心配していた夜鳴きはなかったが、深夜徘徊には参った。毎晩、怪しい物音で目が覚めた。最初のうちは、寝室内でスリッパに食いついているか、藤製の脱衣籠を分解している程度だったが、そのうち行動範囲が広がり、おちおち寝ていられなくなった。後にケージ(→買い足したもの)を購入したが、寝るときに使ったことはない。サークルは考えなかった。


■餌
 種類や分量については犬がくるまでの項で述べたが、遵守したのはほんの半月ほどである。テスは非常にむら気で、がつがつしていると思えば、見向きもしないときもあり、そのうち、きちんとやるのがばかばかしくなってしまった。だいたい生き物相手にマニュアル通りに行くわけがないのである。時間になったら寝ている仔犬を叩き起こして、なにがなんでも全部食わせたりすることはない。また、飼い主の生活を曲げてまで犬に合わせることはないのだ。そうこうするうちに気がついたらやる・食うみたいなことになった。それでよかったんじゃないかと、いまは思う。発育不良になったわけでもないし、なにより気が楽
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 イカ玉葱絶対に与えてはならないとされている二大食品である。実際に、イカをたくさん食べて腰が抜けちゃったアフガン・ハウンドの話を聞いたことがある。なんでダメなのか詳しくは知らないが、ダメといわれているものをわざわざやることもない

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 最初のうちはドライ・フードだけだったが、同じボーダーの飼い主さんに、手作りごはんを教わった。キャベツと鶏のササミの水煮である。細かく刻んだキャベツとササミをごく少量の水で、鍋に蓋をしたまま蒸し煮する。これをドライ・フードに混ぜて与えたら、むら気なテスが実によく食べた。食糞も治った。
 いちどにたくさんつくって、小分けして冷凍しておくと便利である。

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 成犬用に切り替える時期については諸説紛々だが、テスの場合、最初のシーズンが終わり、満1歳の誕生日を迎える直前に切り替えた。「少しづつ混ぜるなどして」という説もあるが、わたしは幼犬用がなくなったと同時に問答無用にて切り替えた。


■おやつ
 先達にもらったササミジャーキーがはじめてのおやつだったが、噛まずに飲み込んでしまうのが恐ろしく中止した。
 例によって親ばかから、さまざま買い与えたが、ミルク棒などのべとつくものは始末にわるい。毛にくっついて固まる。顔にぶら下げたまま走り回っていたことがある。また、テスにはおやつを隠す趣味がある。寝ようと思って布団をめくったら、食べかけのべとべとが埋めてあるのだ。
 もっとも適当だったのは牛皮製の犬ガムである。うちではホネと呼んでいるが、両端の結び目が、囓るときに都合がいいらしい。与えると最低10分は持つ。誰が考案したのか、中央部分が二重になっていて、中身を抜くまで実に根気よくかじかじする。短くなった塊を飲み込んでもそのまま出てきたことはないから、消化もいいようだ。


■排泄
 食べることに関しては図太い仔犬だったが、出すほうはそうはいかなかった。したくなったときにいる場所で、うんちでもおしっこでも速攻してしまう。一度においをつけたところでするようになるといわれているが、だとしたら、きっとそこらじゅうにおいだらけだったのだ。とくに絨毯とベッドの上がお気に入りだった。住まいの洗剤も使ってみたが、そんなものにごまかされる犬様の鼻ではない。詳しくはしつけ1:トイレ・トレーニングで述べる。

■下痢
 テスはよく下痢をした。最初のうちは心配で、夜中に獣医師に電話をしたこともある。そのときの獣医師の指示は「絶食。飲み水は“湯冷まし”。人間用の薬を加減して与えろ」というものだった。仔犬の下痢はよくあることだ。人間がちょっと冷えたりしてゆるくなるのとかわらないように思う。それに、いましなくてもいいうんちを早めに出しちゃうこともあるらしい。
 いつまでたっても治らなかったり、異常な混じりもの(血液など)があれば、即獣医だが、ときには見極めることも大切である。


■シャンプー及びふだんの手入れ
 下痢のときには、そのたびに洗面台でお尻を洗っていた。臭い上に、すぐ洗わないと固まって取れなくなる。犬用のシャンプーを使って全身を洗ったのは、散歩をするようになってから。テスはシャンプー大嫌いだった。こちらが慣れていないこともあったが、閉めきった風呂場で暴れ狂い、ドアを開けると全速力で逃げ出し、そこらじゅうでぶるぶるをした。家じゅう水浸しである。
 少し大きくなってからはプロに頼むことにした。ショー・ドッグなどを扱う高級なところは別として、仔犬はシャンプー&トリミング(耳掃除、爪切り、肛門線しぼり含む)で5000円前後(1997年当時)。毛玉取りや送迎は別料金。
 トリミングは、何も指定しなければその犬種の決められた形にされてしまう。テスは髭を全部カットされ、つるつるのマズルになって帰ってきた。また、頭にぜんぜん似合わないおリボンをつけてもらっていた。次回から「顎下以外の髭は残して、おリボンは付けないで下さい」と指定することにした。
 仔犬でも毛は抜ける。常にフローリングの上をふわふわと抜け毛が漂っている。チビ犬一匹のために、飼い主は生傷と掃除の日々である。一日二回はお掃除機というきれい好きな飼い主さんもいる。抜け毛を最小限にくい止めるには、なんといってもブラッシングである。テスは柔らかい直毛なので、櫛のほうが都合がよかった。


■破壊大魔王
 リビングに大小便をまき散らす生後間もない黒白の仔犬を抱え、わたしは毎日途方に暮れていた。絨毯の端はびきびきにほぐされ、家具調度の角という角が丸く削られた
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 ある日、なにもあげた覚えはないのに、すごく嬉しそうにお口をちゃくちゃくしていたので、慌ててこじ開けてみたら腕時計のバンドが入っていた。その頃使っていたノートパソコンの電源が入らない。家具調度に飽きたらず、ケーブルを囓ったのである。ベッドと壁のわずかな隙間に入り込んで出られなくなったこともある。

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 アカギレの手を噛まれ、靴下を引き抜かれ、足を噛まれ、頭髪を噛みしごかれ、衣服のボタンやジッパーはことごとく食いちぎられた。その頃のうんちには、わたしの髪の毛や、知らないうちに飲み込んだボタンが混じっていた。

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 いまとなっては懐かしい思い出である。仔犬の成長は早い。


■しつけ1:トイレ・トレーニング
 わたしは室内トイレ推進派である。広大な庭のある屋敷にでも住んでいれば別だが、そうでなければ、飼い主が外に連れていってくれるまで、犬は我慢するしかないではないか。飼い主のほうも大変だ。どんなに天気がわるくても散歩に行かなければならない。寝不足だろうが、二日酔いで吐きそうだろうが、もちろんちゃんとした病気のときでも、時間になったら散歩に行かなければならない。生活が犬の腹具合中心になる恐れがある。
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 犬トイレは、ごく普通のペット・シーツ装着型(量販店などで2000円前後)を購入した。ペット用品のサイズは多く大雑把な刻みであるため、選択の余地はあまりない。中型犬はなんでも「大」寄りになる。
 置き場所は様々である。わたしは洗面脱衣所に置いたが、玄関やリビングに「ばーん」と置いている人もいる。犬が自由に出入りできるとこならどこでもいいのだ。

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 犬が排泄モードに入ったらすぐに連れて行きちゃんとしたら大げさに褒めてやった。失敗しても決して叱らなかった
 している最中に「ワンツー」とか「ちー」などの合図をすれば、後にそれをいえばするようになるというのはほんとう。
 もっとも大切なのは根気である。褒めたって叱ったってできるようになるまでできない。テスの場合、なんとか折り合ったのは1歳を過ぎたころだったように思う。

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 3歳になったテスはできるだけ外で晴れ晴れとと思っているようだが、間に合わなければ室内トイレでする。不思議なことに、室内トイレでは一回した上には絶対しないというテス独自のルールがあるらしく、うっかりしているとうんちもおしっこも場外でする。従って、こまめにシーツを取り替えなくてはならないが、何度でもできる犬もいる。また、数頭で同じトイレを仲良く使っている例もある。犬それぞれである。


■しつけ2:いたずら
 チーズなど犬の好物を仕込んだおもちゃを与える、大きな音を立てて驚かす(天罰ってやつですね)など、さまざま試みたが、すべて徒労に終わった。
 囓られたくないところには刺激物を塗るとよいとあった。人間の子供の指しゃぶりと同じである。わたしは絨毯の端にリステリンを染み込ませた。だが、破壊大魔王テスには通用しなかった。強いにおいを身体につけようと、仰向けになってぐりぐりしただけであった。
 わたしは食ったら死ぬと思われるものすべてをチビ犬の目の届かないところに移動し、命にかかわると思われる場所すべてを、水を入れたペットボトルで塞いだ。歯がすべて生え替わったあたりで少し落ち着いたが、大魔王魔王になった程度である。いやというほど運動させれば疲れてぐうぐう寝るが、毎日やるわけにはいかないし、飼い主の体力にも限界がある。けっきょく犬が落ち着くまで堪え忍ぶしかなかった。


■しつけ3:無駄吠え
 テスはやんちゃなわりに吠えない犬だったが、どういうわけか小さな子供の嬌声だけはダメで、いまでも猛烈な勢いで吠える。
 やめさせたいときは本気で叱る。いいかげんな気持ちで叱ってもぜんぜんダメ。ときには演技力も必要である。


■しつけ4:散歩
 ワクチンが済んでからと指導されるが、庭先ぐらいだったらかまわないと思う。
 はじめてのお散歩は大混乱に終わった。テスはちょろちょろ歩き弾丸走りしか出来なかった。どうしようもないときは抱きかかえたが、じぶんで歩きたいのか暴れ狂い、まるでむかしのハトヤのCMに出てくる男の子と鰹のようだった。
 最初のリードは胴輪、いわゆるハーネス型にした。先達に倣ったのだが、いま思えば、首輪に取り付けるふつうのリードでも大差はないような気がする。首輪だと強く引っ張ったときにうげっとなって不安だが、犬は案外へっちゃらである。
 引っ張り癖がとれるまでに2年はかかった。詳しくは犬と暮らすで述べる。


■しつけ5:留守番
 生後半年くらいまで、破壊大魔王をひとりにしたことがない。長時間留守をするときはドッグ・シッターを頼んだ。プロではない。当時ヒマ学生だった従兄弟と知人の犬大好きお嬢さんに、格安のバイト代にてお願いした。(松浦干城くん、りっちゃん、その節はありがとうございました。)
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 留守番は、犬をしつけるというよりお互いに慣れるという感じである。
 徐々に時間を延ばして行くといわれているが、そんなことやってるヒマも精神的余裕もなかった。また、さりげなく出掛けるとか帰宅しても大げさに褒めないといわれているが、いなくなっちゃうもんはいなくなるんだし犬が喜べばわたしも嬉しい

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 外出中の精神衛生のためにあらゆる心配事に対する防止策を講じた。まず出入りすることのできる場所を限定した。入ったら心配な部屋のドアを閉めちゃうのである。それでも飲み水とトイレははずせないから、そこは逆に、ドアが閉まらないようにストッパーをつけた。食ったら死ぬと思われるものすべてをチビ犬の目の届かないところに移動し、命にかかわると思われる場所すべてを水を入れたペットボトルで塞いだことはいたずらで述べた。そのほかにゴミ箱はすべて蓋付きのものに、水のボウルを、重量のあるタンク付きのものに買い換えた。
 間もなく、留守中はほとんど玄関にいることがわかったので、寒い日はマットを敷いた。また、暑い日はエアコンのタイマーをセットして出掛けた。
 お腹が空いたら可哀想だと思い、ドライ・フードをいわゆる置き餌にして出掛けたこともあるが、どんなに遅くなっても、テスはまったく食べなかった

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 施錠してしばらくすると猛烈に吠える。チビのくせに遠吠えまでする。いったいどれくらい吠え続けるのか、試しに物陰に隠れて測ってみたら、なんのことはない1分程度だった。

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 テスが留守番をどう思っているのかは謎である。出掛けるときは悲しそうだし、帰れば猛烈に喜ぶが、留守中は案外せいせいしてるんじゃないかと思うことがある。


■しつけ6:食糞
 うんち食い。食糞症という立派な名前があることを後に知った。栄養不足を補うためという説があるが、仔犬の場合、なんでも口に入れてしまうの延長行動のような気もする。
 それにしてもうんちは困る。食べたって死なないとは思うが見ていて不快である。食ってすぐに顔でも舐められた日には、もう(笑)。どうしてやろうかと思っていたころ、同じボーダーの飼い主さんにキャベツと鶏のササミの水煮を教わった。さっそく作って与えてみたところ実によく食べた、と同時に、あら不思議、食糞がぴたりと止まった。レバーを与えるとよいともいわれているが、試さずに済んだ。


■獣医
 仔犬がきたら、いの一番にかかったほうがいいと思う。予防接種はもちろんのこと、わからないことには、専門家としての立場から的確に答えてくれる。
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 ふつうにかかるには家から歩いて行くことができるところがベストだと思う。最悪の場合、犬を担いででも行かなくちゃならないのだから。その場合近所の評判を聞くに越したことはないが、わたしは獣医は行ってみた感じだと思う。便利で評判がよくても「いやー」な感じがしたらやめたほうがいい。
 まず、長くやっているからといって名医とは限らない。もちろん経験も大事だが、動物の医療技術だって日進月歩の世界なのである。また、どんなにいい先生でも設備が不潔なのはよくない。医師としての心構えが知れるような気がするし、ほかの病気がうつったら困る。あと、これは人間の医師でも同じだと思うが、すぐに決めつける先生は不快であるとともに不安である。飼っていれば自ずと知れることだが、同じ犬種でも特徴や傾向を越えた個体差がある。牧羊犬だからといって、はぐれ羊の踵に食らいつく犬ばかりではない。
 それにしても、ともかく行ってみなくちゃわからないのだから、できることなら何でもないうちにかかってみたほうがいいと思う。また休診日などの都合や、やっかいな病気にかかったときの判断の問題から、一度はほかの病院にかかるのも無駄ではない。かからなくても場所くらいは押さえておくべきである。

 現在かかっている獣医は歩いて行くことが出来るところにあり、病気の治療のほかに宿泊させることもでき、専門技術者によるシャンプー&トリミング及びしつけなどの訓練をする設備もある。まさに至れり尽くせりである。
 ここに決めたのは偶然ではない。選びに選んだのである。まず評判を聞いて目星をつけ、電話をしてみてぞんざいな対応をするところを落とした。次に見学を断るところを落とした。そして実際に見に行った中から、もっともよいと思うところを選んだ。


■乳歯から永久歯へ
 『動物のお医者さん』にも出てくるが、わたしは取材を始めるまで、犬の歯が人間と同じように生え替わることを知らなかった。前に飼った犬は、すでに成犬だった。
 仔犬の乳歯は小さく、尖っていて、噛まれるととても痛い。おかげで、すべて生え替わるまでわたしは生傷が絶えなかった。とくに生え替わり期間中はむず痒いのか、なんでもかんでも囓りまくる。絨毯の端はびきびきにほぐされ、家具調度の角という角が丸く削られ、その頃着ていたトレーナーは穴だらけである。
 テスはすべての歯が自然に抜けたが、うまく行かず二枚歯になったりする犬もいるらしい。そうなったら獣医に抜いてもらうしかないが、「ペンチで抜いてあげたの」という強者もいる。
 抜けた歯はたいてい飲み込んでしまうといわれているが、わたしは可能な限り拾って、いまでも大切に保存している。


■シーズン
 生理。生後約半年で初潮を迎える犬もいると聞くが、テスは少し遅かった。人間のメスと同じように性器から出血する。約2週間続いた。性器が肥大し、後ろから見ると明らかにシーズンであることがわかる。雌の場合、期間中は雄に注意しなければならない。ものすごい勢いで近づいてくる。飼い主が立ち話をしている最中にかかちゃったという笑えない話を聞いたこともある。シーズン中によその犬に出会ったら「いまシーズンなんです」と宣告したほうがいい。多くの飼い主が先刻承知なので、わるく取られることはまずない。
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 経血はほとんどじぶんで舐め取ってしまうが、どうしても部屋を汚す。専用の紙パンツを履かせてみたが、嫌がって気の毒な上に、ボーダー・コリーは垂れ尾なので、すぐにはずれてしまう。尻尾のところに穴を開けた人間のパンツを履かせるといいようだが、なんせ嫌がるので、汚れたら困るところに古シーツをかけるなどして乗り切った。元気がなくなる犬もいるようだが、テスはふだんとまったく変わることがなかった。


■おもちゃ
 例によって親ばかから、さまざま買い与えたが、ロングセラーはなんといってもテニスボール(硬球)である。いまでも新品を一回洗濯したものを順次愛用している。スキあらばくわえてきて「投げろ」という。
 デンタル・コットン。うちでは「ふさふさ」と呼んでいる。常時2〜3本を洗濯しつつ、交代で使っている。時期によってはヨダレでカビが発生する。本来の目的は歯の掃除であるが、テスはこれを小動物に見立てているらしく、一方の結び目をくわえて振り回し、床に打ち付けて遊ぶ。
 噛むとちうちう鳴るおもちゃ。最初はびくつくが、慣れてからは狂ったようにちうちういわせて遊ぶ。ただし、ゴム製のものは食いちぎって飲み込む恐れがあるので、注意が必要である。
 
 あと、これはテス独自のものと思うが、クマの縫いぐるみ。贈り主の名前から「りっちゃん」と呼んでいる。この「りっちゃん」に関しては犬とは思えない執着を感じる。いつも取られまいとどこかに隠してある。たまにくわえて来て見せびらかすこともあるが、どこにしまってあるかは、積極的に探さないかぎり謎である。
 ある日、なにもあげた覚えはないのに、とってもおいしそうに、お口をちゃくちゃくしていたから、慌ててこじ開けてみたら、りっちゃんの目玉が入っていた。それ以来「隻眼のりっちゃん」になったが、いまでも、積極的に探さないかぎり、その所在は謎である。


■買い足したもの
 首輪とリード。いわゆるハーネス型のリードにしたので、首輪は布製のお飾りタイプにした。中犬になってから革製の首輪を購入した。
 迷子札。首輪に油性マジックで連絡先を書いたが、カプセル型の迷子札もつけた。小さな巻紙に連絡先などを記入するようになっている。
 折り畳み式ケージ。可哀想に思って大型犬サイズにしたが、大きすぎるのも善し悪しなのだそうだ。犬嫌いの客が来たときや、電気工事などの作業中に使った。テスは、別の部屋に閉じこめられるより、不自由でも見えてるほうがいいらしい。
 タンク付き水容器。減った分だけタンクから補給されるという便利なもので、東急ハンズのペット用品コーナーで見つけた。瓶状で、ケージや壁などに逆さにして取り付け、ノズルをちゅばちゅばするタイプもある。タンク型の場合、水がなくなるまで放っておいてはならない。すぐに水垢がついてぬるぬるする。また、水を送り込む仕組みの部分のゴムパッキンが硬化して溶け出すので、適当な時期に買い換えたほうがいい。
 トレー。餌のボウルがすべりにくくなっている。コルク製のマットもある。
 ブラシ。いろんな商品があるが大同小異。
 ペット・シーツ。買い足したというより、買い続けている。いうまでもなく消耗品なので、ペット・ショップや量販店のチラシのチェックは必須。
 玄関マット。犬用ではない。人間用の長座布団。


■いらなかったもの
 仔犬安眠用古時計。夜鳴き防止には音の出るもの、たとえば古時計や小型ラジオを置くとよいとあった。わたしはテスのために和光特製革カバー付きトラベルウォッチ(わはは)を用意したが、まったく必要なかった。
 ゴム製グローブ型いぼいぼブラシ。面倒くさい。
 夜間散歩用ちかちか。電池式で振動を感じるとちかちか光る。テスがすごく嫌がった。
 ワイヤー巻き取り式リード。小型犬用である。
 生理パンツシーズン参照
 雨合羽。着せるとたいへん可愛らしいが、ダブルコートの犬は水に強い。土砂降りでもなければ、アンダーコートまで浸潤することはなく、タオルドライでじゅうぶん。



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